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一刀両断 実践者の視点から【第270回】

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私立学校への期待

 私立学校に期待することは何だろうか。進学塾化している学校が多い気がする。これは私立学校の目指すべき姿であろうか。
 有名大学へ行かせるのが目的になり、教師もそれでよいとしている。親や生徒の願いだからであるという。
 よって生徒指導の面や寄付金の面で緩くなり、建学の精神や校訓が薄れて殺伐としてしまう。授業についていける生徒のみが注目されて、ついていけない生徒は見放される。
 あるとき、どんな課題を生徒に出しているかと聞くと、「かなり難しい」「やや難しい」「普通」「やや簡単」「簡単」のうち「かなり難しいにしています」と誇らしげに話したのには呆れた。これが進学校の実態としたならば、とんでもない私立になってはいないだろうか。心を育てるなどは完全に形骸化している。それらの責任者が文科の専門委員になっているのだから、公立との乖離は避けられない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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