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一刀両断 実践者の視点から【第315回】

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給特法の廃止法案出たが
 
 《「教員“定額働かせ放題”改善を」立憲、教員給与特別措置法の廃止含む法案提出 教員の定数増など柱に》(TBS NEWS DIG Powered by JNN)という見出しのニュースに違和感がある。給与の問題ではない。仕事を減らす事、教員定数を増やす事に本質がある。
 給与を増やすから今やっている仕事をせねばならないとなると何の改善にもならない。政治家はこうした事を理解しているとは思えない。
 文科省には、大臣、副大臣、政務官がいる。学校現場を改善する具体策を何故出さないのか、出さないのか、出さない方がよいからか。
 ブラックでなくともブラックと報道するメディアを制御もしないで、議員自身が教委に調査を求めて学校現場へ垂れ流す議員のための資料作りにも歯止めがされているとは思えない。
 先生達が余裕を持って子供たちと語り合い個々へのサポートも出来るような体制を作るのは容易ではないが不可能ではない。生き生きと希望に満ちて子供たちと接する為には、今の仕事量が適性とは言えない事は歴然ではないのか。
 そんな事も分からない文教委員や教育委員は税金泥棒と指摘されても言い返せはしないだろう。
 教育を政治の具にしている国はやがて滅びてしまうという事を高学歴ならば学んできたはずである。教育に偽善は通用しない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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