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見て聴いて感じる体験の一つとして

5面記事

企画特集

2019年団体奨励賞受賞時の吉田正成教諭

 アイデム写真コンテスト「はたらくすがた」(主催=(株)アイデム)は、「子どもたちが『働く』ことについて考えるきっかけにしてほしい」という願いをこめて2005年にスタートした。キャリア教育の一環としてコンテストに取り組む学校も多く、2022年度はコロナ禍にありながら総応募数は過去最高の9425点にのぼった。このコンテストに2016年から応募し、2019年には団体奨励賞に輝いた大阪市立天満中学校・吉田正成教諭に取り組みの様子や成果などについて話を伺った。(以下敬称略)

親子間のコミュニケーションにも貢献

 ―本コンテストの応募のきっかけについてお聞かせください。

 吉田 働き方や職種は多様化していますが、それを学校の中だけで教師が提示するのはなかなか難しいものです。今の子どもたちは情報を探し、収集する能力はとても高いのですが、自分の目で見て、耳で聴いて感じる体験が圧倒的に少ない。身近な人の働く姿を撮影することで、子どもたちは働く人に視線を向け、真摯に向き合います。仕事を肌で感じる体験はとても意義があると思い、このコンテストに応募してきました。

 ―吉田先生は担当教科の美術科でコンテストに取り組んでいるのですか。

 吉田 はい。私は大学のときに写真を勉強していました。人物を撮るときは被写体との距離感が大事です。家族は何より身近な存在ですから、近づいて写真を撮ることができるので気づきも多い。本校は大阪の中心地である梅田、日本一長い天神橋筋商店街や天神祭の大阪天満宮などを含む立地にあります。個人商店を経営されている家庭や文化活動に従事している保護者も多く、家族の働く姿を日常的に目にすることが多い土地柄で、いい作品が生まれる予感がしました。また、このコンテストでは、撮影時に感じたり考えたりしたことを短い文章にして写真に添えます。それによって、より深く仕事について知ることができるし、どこに重きを置いて撮りたいかという思いを持って撮影に臨むことができます。

 ―授業ではどのように取り組みを進めていますか。

 吉田 まず「写真」について学び、過去の受賞作品を見ます。最初は写真だけを見て、次にコメントを合わせて見せます。そうすることで写真だけでは感じ取れない情感を読み取ることができます。撮り方については、技術よりも被写体へのまなざしを学びます。サービス業であれば笑顔とか、職人ならものづくりに対する真剣な表情とか、職業によって表情が違うことや工場で働く人なら汚れている手など、写真を撮るときの着眼点について考え、そこをしっかりと撮ろうと伝えています。

 ―生徒たちの作品から何か感じることはありますか。

 吉田 撮影者に心を許したからこその表情が撮れている作品、被写体と真剣に向き合っている作品が多いことに驚かされます。また、働いてくれていることへの感謝や、親に対するリスペクトが写真やコメントを通して感じられます。宅配の仕事をしているお母さんの写真を撮った生徒からは、働いているお母さんは「カッコいい」という言葉が出ました。その生徒は、いつも忙しいお母さんのことを理解はしていても、一人で何でもしなければいけないため寂しいという思いがあったよう。「カッコいい」というたった一言に尊さを感じました。

 ―このコンテストに期待していることはありますか。

 吉田 このところ働くことをネガティブに捉える情報が多く、生徒たちと話していると働く意欲が低いと感じています。撮影を通して働いている姿を見ることができるこのコンテストは、働くことの素晴らしさを感じ取ることができる素敵な機会です。これからもそれを感じていけるコンテストであってほしいと思います。

第18回アイデム写真コンテスト「はたらくすがた」応募要項

テーマ
 「はたらくすがた」
 あなたの身のまわりで働く大人の姿を撮影してください。

応募資格
 小学生・中学生・高校生(学校やクラス単位での応募も大歓迎)

応募方法
 専用応募用紙に必要事項を記入し、写真を貼りつけて応募。
 ホームページ(https://www.aidem.co.jp/csr/photocontest/application/index.html)からのweb応募も可能。

応募締め切り
 9月11日(月)(当日消印有効)

学校応募担当の先生へ
 ・応募用紙は必要部数を送ります。
 ・記入・貼り付け面のみのコピーも使えます。
 ・学校で取りまとめて応募の際は、応募者リストも送付ください。
 ・応募者リストはホームページよりダウンロードできます。

応募に際しての注意事項
 ・必ず、写る方に撮影と応募の許可をもらってください。
 ・応募作品は返却しません。
 ・入賞候補者には選考途中で元データを提出してもらいます。デジタルデータ・フィルムは入賞発表時まで必ず保管してください。
 ・入賞作品の著作権は撮影した方に帰属します。ただし、受賞後5年間は主催者(株式会社アイデム)が優先して使用します。
 ・入賞作品はアイデム写真コンテストの広告及び広報物に使用します。このため受賞した方は主催者が各媒体で作品を使用することをご了承ください。

応募先・問い合わせ
 〒160-0022
 東京都新宿区新宿1―4―10
 アイデム写真コンテスト事務局
 TEL=0120-938-989(受付時間 平日10:00~17:00)

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