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一刀両断 実践者の視点から【第340回】

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我が子への欲望

 また、記事が出た。《小学生の女の子にわいせつな行為をしたとして、小学校教諭の59歳の男が逮捕されました》(千葉テレビ放送)という。至る所でこうしたことをやっている教員がいると錯覚するほどニュースになっている。
 これが教員だからニュースになるものの一般人ならニュースにもならずその数は数えきれない事だろう。
 幼い子どもに性欲を持つ人がいるのかもしれないが、その子が我が子だったらと考えると、抱いた欲望は間違っていると理解して制御するだろう。
 わが子をも性対象として鬼畜の行為を求めていた親子の指導をした事があった。母親から相談を受けた。父親が子供に性器を触らせる為に怖いと、警察に相談して裁判所を動かし接近禁止命令を出して父親から隔離した。
 子供の成長に伴い意思表示が出来るようになり、面接を何度も繰り返し、今では復縁している。しかし、この児童の男性感が戻るとは思えない。
 障害者団体のリーダーが一年生担任をしながら児童にわいせつ行為を繰り返しその事実が発覚した。この事実は隠蔽されて今も公にはなっていない。確かに特定されるという危惧はあるが教師という加害者が放置されている不合理は今も続いている。
 今回は59歳という年齢、多くの教え子もいたであろうし、親戚や家族もいるだろう。その欲望、間違った行為を知りつつも抑えられなかった代償は計り知れない。
 性の欲望について私たち教師自身は学んではいないし、真摯に教えているとは思えない。すなわち曖昧にして来ているのである。これでいいのか日本の教育は。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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