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発泡スチロール板で「窓断熱」~身近な素材を活かし、快適な学習空間を~

13面記事

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発泡スチロール協会

 文科省によると、公立小中学校は昭和40年代後半から50年代に建設された校舎が多く、築25年以上経過しているものが8割を超える。耐震化などの安全対策は進んでいる一方、校舎ではほとんど断熱材が使われていないことから、冷暖房のエネルギー効率が悪く、教室の暑さ寒さ問題は解消されないままになっている。
 しかし、壁・床・天井等の躯体の断熱化やガラスの高性能樹脂サッシ化は、費用のみならず工期も必要になるため、財政不足の自治体では二の足を踏んでいるのが実態だ。
 日本建材・住宅設備産業協会の調べによれば、窓などの開口部を通して冬に暖房の熱が逃げる割合は58%、夏の冷房中に外の熱が入ってくる割合は73%にも達するなど、断熱化には窓からの冷気や日射熱を防ぐ対策が重要になる。
 そこで提案したいのが、発泡スチロール板を窓に貼り付ける方法だ。発泡スチロール協会では、2020年冬に厚さ15mmの発泡スチロール板を使い、本事務所にてテスト施工を行ったところ、10%以上もエネルギーを削減する効果があることが分かった。しかも、発泡スチロール自体は薄く白色であるため、たとえ窓を覆ってしまっても、外光と室内灯の明かりで十分な明るさを保つことができた。
 設置方法は窓枠にピンで取り付けるだけなので、春秋の過ごしやすい季節になれば簡単に取り外すことが可能。わずかな費用で、手軽に快適な空間を手に入れることができるため、ぜひ一度試してみることをお勧めする。

 問い合わせ=発泡スチロール協会 電話03・3861・9046 
 https://www.jepsa.jp/

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