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一刀両断 実践者の視点から【第451回】

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論説・コラム

児童への土下座要求と教師への叱責

 静岡の小学校で教諭が児童に対し土下座を要求したという。これは本当に不適切なのだろうか。
 謝罪のさせ方はいろいろあり、一昔前なら通用したかもしれない。期限を守るという人間関係の基本をしっかりと教えなければならない。当事者意識を持って読むとこの記事の理解は変わってくる。
 初任の頃にクラスの児童が恐喝をして捕まり校長室に担任の私も呼び出された。児童は叱責を受けて校長室の前の廊下に正座させられた。担任の私も自ら正座した。
 すると児童たちが先生は悪くないのに何で正座をするのかと聞いてきた。担任とはそういうものなんだよと、回答すると涙を流していた。後で、この先生は信用できる味方だと感じたと話してくれた。
 そう話した児童は今年中学校長になった。寄り添うと言う聞こえのいい話はするが、何でもかんでも教師ばかりを責めるのは問題の解決にはならない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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