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一刀両断 実践者の視点から【第455回】

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学校管理職の推薦

 《名古屋市教委、教員団体から金品と校長推薦名簿を毎年受け取る…河村市長「徹底的に真相を究明する」》(読売新聞)というの記事がある。こうした慣例は全国の教委でも行われている事ではないだろうか。
 金品は別にしても校長推薦名簿を受け取っている教委はかなりの量になるだろう。
 管理職選考の責任がある都道府県教委は、市町村からの需要などを勘案する必要はあるので意向は参考にする。しかし、あくまで選考は都道府県によるので、主体性を失ってはならない。
 合わせて組合団体からのデータも出されてはくるが、金品の授受は分からない。そうした事は儀礼的な視点からすると想定される。特に組合は豊富な資金力があるので潤沢な使い方はされている。こうした構造は至る所に存在しているように思えてならない。
 ある時、意図の分からない品を返送した事があった。しばらくして先輩からお叱りを受けた。こうした慣例を壊す事になると不都合な事が起きるからである。その見せしめに左遷された事が私は3度もあった。
 当然のことをしているだけで手心を加えるならば、選考からして相応しい場合であり、営利栄達が入ればその分努力して適性のある人物の不利益につながる。人は誤魔化せても我が心は誤魔化せない。一番厄介なのは組織の慣例を見直す改革を誰がやるかではないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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