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生徒指導~小学校段階での考え方~【第122回】

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「我田引水」の経営者

 これが優秀な人ですか?
 私には自己弁護のパフォーマンスにしか感じられなかった。想定はしていたが、時間を無駄にしてしまった感が強い。過去の名声や実績を出して、複数の言語を使い、有り余る資産を保有しながら、その人間性の粗末さを露呈した「実に哀れな姿」に感じられた。出来るなら、この人物を育てた恩師達のコメントを拝聴したい。

 確かに我が国の法制度については、多くの課題があることは以前から指摘されていたが、逃亡の正当化は出来ない。こうした経営者を実力者として祭り上げ、人員カットをして利益を得たのは、ほんの一部の経営陣であったのではないだろうか。その体質改善は見えない。
 こうした我田引水の構図は教育界にもある。以前、校長として勤務したとき、事半ばの案件があった。心労は承知で残留を何度も申し出たが理由なく却下された。
 直談判に向かったが「既に動かせない」と言われた。影響力のある者や意見を主張する者を必死に排除したかったのだろう。
 あれから10年が過ぎ、我田引水の輩は、役を失った途端に人心も去り、「実に哀れな姿」になったように見受けられる。
 「教育=今日行く」とは、大義と信念を持って誠実にやり通すことであり、誤魔化せない今の自分の姿と友をつくるものである。本当に優秀な人とは、表裏のない、利害を越えた、人間性の豊かな人々のことを指す。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~