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生徒指導~小学校段階での考え方~【第217回】

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道徳科の評価

 道徳の評価に苦心している話をよく聞く、評価に無理があるからだろう。すなわち非認知能力を認知能力にして図ろうとするのだから、認知能力の視点でしか評価をしてこなかった者は苦戦するだろう。
 ここに生徒指導の視点を加えると面白い。すなわち自己存在、自己決定、共感的人間関係による自己指導能力である。

 道徳の特性と生徒指導の特性は本来一体であり、立て分けることでそれぞれの専門家らしき者が増殖したように見える。細分化すべきではないものまでしてしまった結果、目標は掲げられても評価ができなくなっている。
 富士山登頂を目指しスタートは出来るが、個々がどこら辺に到達したかを把握できないとたとえられるだろう。この危険極まりない登山を決行した責任は重い。

 では、どう評価をするか。再び登山に例えるなら、チームリーダーからの情報収集と、一同を休憩させるタイミングがポイントになる。出発したのが同じ5合目で現在が8合目なら、その時点での体調把握になる。すなわち縦軸が標高で、体調や人間関係は横軸と見ることが出来る。この位置の特定を私は表にして全体像を把握し、指名計画や発問や指示、論議、思考の仕掛けやタイミングを図っている。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~