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生徒指導~小学校段階での考え方~【第180回】

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口答えする成長期

 小学校4年生がターゲットにされた事件が多い。偶然とは思えない。これを生徒指導の視点から指摘する人はいないようである。
 この時期は自我が芽生えて反抗期が始まる。簡単に言えば、口答えをする成長期なのである。言葉の意味も理解不十分に加えて、ついついひどい言葉を使って相手の反応を見る時期でもある。

 発達段階を理解せず、子どもの挑発的な言葉を真に受けて、激怒する大人は少なくない。生まれてわずか10年しか生きていないのだから、感情のコントロールや言葉の理解もかなり未熟と考えねばならない。憎たらしい言葉を吐くことが特徴のひとつなのである。だからこそ生まれて10年の子どもには、多くの可能性が秘められているのも確かなのである。

 親がそのことを学んでいないために、「生意気だ!口答えするな!」と手を挙げるのは、「そういうものだ」と、たしなめる祖父母や友人が身近にいないということである。「私もそうだったよ。でも今はこうなったよ」と、外部に触れないと視野もますます狭くなり、思い込みも激しく短気になる。この自我の時期の扱いを誰も親に教えてはいない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~