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コロナ時代に考えたい学校問題【第23回】

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評論家への反感

 教育評論家という肩書きを持つ人が居るが、学校現場からは支持されていないし、逆に反感を持たれる傾向が強くなっている。
 批判ばかりして具体策を示さないからであろう。
 やって見せられない。示しても到底出来ない事を言う。学校現場を過去の経験でしか知らずに上から目線で話す。
 すなわち、日々変化し苦戦していることが何であり、その解決に共に悩み苦しむ姿勢や行動が無い。

 よく教育委員が学校現場や教育機関を視察に来る。日常の混乱する生徒指導や散乱した教室環境は見せずに、ありもしない整然とした姿に繕う事がよくあった。その茶番劇は今でも繰り返されている。これでは、実際の姿を知らずに施策が実施されても仕方がない事になる。

 教育評論家は何のために存在するのだろうか。教育現場はまだまだ教師の奉仕と使命感により、ビジネスとは程遠い現実がある。それは私立と公立でも細部になると大きく異なる。
 例えば、採点をする赤ペンは支給されるか。新しい学習内容に対応するための専門書の購入等はどうか。やむをえない残業時の夜食は。公立校でそのほとんどが自腹になっている。
 以前はこうした予算も計上されていたが、財政上の都合からカットの対象になったのである。これが現実なのである。
 教育評論家は部外者でなく、傍観者でなく、批判者でなく、共感者であり、同行者であってもらいたい。教育をバラエティー番組にしてはならない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題