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東京・青ヶ島の学校から~日本一人口の少ない村の学校での取り組み~【第17回】

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学校カウンセラーにオンライン相談

 「スクールカウンセラーの先生に、話を聞いてもらってとてもよかった。気分がすっきりした。でも、画面で話すより、本物と話すほうが、ずっと話しやすいと思った」。
 画面越しのカウンセリングを終えた児童が感想を語りました。
 日頃から児童・生徒の様子を見ている印宮ゆき絵養護教諭は、「WEB会議システムを使ってのカウンセリングには不安もありましたが、カウンセリングを終えた子供たちが笑顔で部屋を出てくる様子をみて、安心しました。自粛の影響で人と話す機会が減っていたこともあり、画面越しではありましたが、カウンセラーの先生の顔を見ながら話ができて、子供たちは嬉しかったようです。今回取り組んでみて良かったと思います」と語ります。
 青ヶ島小中学校では、6月の毎週木曜日の放課後に、児童・生徒とスクールカウンセラーでWEB会議システムを使ってのカウンセリングを行いました。
 青ヶ島は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、4月から来島・出島の自粛を行っています。学校としては、スクールカウンセラーに来島していただき、児童・生徒のカウンセリングをしてもらいたいと考えていましたが、とてもそのような状況ではありませんでした。児童・生徒の中には、長引く臨時休業と外出自粛、狭い島内での緊迫した生活などが、心の負担になっていることを保護者から伝え聞いており、カウンセリングの必要性を強く感じているところでした。
 今回、WEB会議システムを使ってのカウンセリングが行えたのは、いくつかの幸運の重なりによるものです。
 1つは、青ヶ島の状況を鑑み、自宅からのWEB会議システムを使ってのカウンセリングを、カウンセラーを派遣している東京都教育委員会が認めてくれたこと。
 2つ目は、前年度末に八丈島との光回線のケーブル敷設工事が終了したことを受けて、今年度はWEB会議システムを使って島外の学校との交流を進めていこうという意識が校内に高まっていたこと。
 3つ目は、村施設のカウンセラー室が自粛のため使用できない中、5月中旬からの青ヶ島小中学校の再開後、児童・生徒が気兼ねなくカウンセリングを受けられる場所として保健室を確保できたことがあります。
 スクールカウンセラーの赤松俊太さんは「来島できない状況であるにもかかわらず、子供たちへのカウンセリングができたのは不安や悩みを解消する上で効果が大きいと思います。やはり、臨時休業による子供たちの心の負担は、少なからずあるようでした。今回、厳しい状況の中、少しでも役に立つことができてよかったです。カウンセリングは、相手の表情や仕草やちょっとした雰囲気から読み取るものがあるので、画面越しではその点は難しかったです。島に行くことができるようになったら、改めて丁寧にカウンセリングをしていきます。」と語ります。
 島の学校には、内地の学校とは違った島ならではの困難さがあります。ICTなどを活用し工夫して、少しずつ改善を図っていければと考えています。
(木下和紀・青ヶ島小中学校 校長)

東京・青ヶ島の学校から~日本一人口の少ない村の学校での取り組み~