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東京・青ヶ島の学校から~日本一人口の少ない村の学校での取り組み~【第18回】

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離島でプログラミング教育

 車輪の付いたロボットが教室の床を目標に向かって真っすぐ進みます。目標としていた箱にぶつかってもロボットは進み続け、箱を押していきます。「前進の時間が長すぎたかな。もう2秒短くしよう」と言って、小学校5年生の児童が、ロボットをパソコンから伸びているコードにつなぎ、プログラムの修正を始めます。この日が1回目のプログラミング学習ですが、授業時間の終わりころには、ロボットを動かすための簡単なプログラムの仕組みを理解し、ロボットを前進させるために必要な時間を工夫して設定できるようになっていました。
 青ヶ島小学校では、今年度からプログラミング教育が始まることを見据え、昨年度から何回か校内での研修会を開いてきました。青ヶ島は離島の中でも特に交通の便が悪いことから、東京都内の多くの小学校のように企業が研修をしに来てくれたり、教員が民間の研修会に出向いたりすることは容易でありません。
 そのため、副校長自らが学習指導要領や参考となる書籍を学んだり、近隣の島での研修会に参加したりしながら、習得したことを小学校の全教員に伝達して理解を深めました。
 今回のプログラミング教育のように、離島において新たな取り組みを進めることの難しさについて、下川耕史副校長は「交通費や往復に要する時間を考えると、離島で企業の方の支援を得るのは簡単ではありません。また、青ヶ島の場合、内地へ出張した際は往復に3日程度は必要となり普段の授業に支障が出ることから、長期休業期間中以外での内地の研修会への参加は現実的ではありません。プログラミング教育に関しては、私が学んで伝えることができましたが、やはり内地の小学校との環境の格差を感じてしまいます」と語ります。
 小学校5年生の1学期のプログラミング学習は、プログラミング言語を使って、ロボットを回転させたり、障害物をよけて進んだりといった制御ができることを学びました。
 授業では、小中併設校のメリットを活かして、中学校の技術科教員の支援を受けながら行うことができる点は恵まれた環境であると言えます。今年度も小学校教員のプログラミング教育の理解を深めるために、副校長のプログラミング教室が開催される予定です。
 プログラミング教育以外でも、青ヶ島小中学校の教育活動を積極的に発信して、できれば企業等の支援を効果的に活用できるようなつながりを作り、新しい時代に必要となる教育内容への改善・充実を図っていきたいと思います。
(木下和紀・青ヶ島小中学校 校長)

東京・青ヶ島の学校から~日本一人口の少ない村の学校での取り組み~