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コロナ時代に考えたい学校問題【第58回】

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首相退任に思う

 安倍首相が辞任することになった。表情も辛そうで、この日が来ることは予想していた。こうした激務を望んでやりたいとは同じ年ながら思えない。
 人にはそれぞれ天分があり、器量があるし能力がある。そして胆力もある。すべての判断と責任を求められて、如何なる人間でもベストの判断を続けることなどできない。
 出来ない輩にかぎって相手を責める傾向にある。酷いものだ。学校長にも同じような人の姿をよく見かける。リーダーとは、判断と人望すなわち力量と人柄に尽きるように思える。

 なりたい人と、なってもらいたい人がどうも一致しない。一致したら何と有難いことか。
 因みに政治家で人相のよい人に会うことはほとんどない。それは人間として望ましい仕事ではないからなのだろう。
 教師も人相はよいとは言えない。すなわち、仕事の仕方が望ましいとは言えないからではないだろうか。万引きやワイセツ、そしてパワハラなど、その幼児性から来る呆れた行為は、ストレスだけではなく、魔が差したとも思えない。
 いちばんは、周りにいて見破れなかった関係者の無関心に警鐘を鳴らす必要がある。安倍首相の子どもだったら、辞意を表明した父親に何と言葉をかけるだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題