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GIGA元年 文科省StuDXチーム通信【第2回】

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「慣れる」「つながる」という視点から

 GIGA StuDX(ギガ・スタディーエックス)推進チームの新メンバーに加わった松本修と申します。3月まで学校のICT環境整備の充実に関する業務、特に児童生徒の「1人1台端末」「高速大容量の校内通信ネットワーク」などのICT環境の整備を担当してきました。
 当初4年間で整備するとしていた計画を大幅に前倒して取り組みを進め、整備完了の目途がつきました。関係者の方々の御尽力に改めて感謝申し上げます。
 そして、いよいよ4月から「環境整備」から「活用促進」へとフェーズが移り変わりました。推進チームではこの1カ月、それに向けた準備を進めています。
 5月12日、GIGAスクール構想における1人1台端末活用に関して、都道府県と指定都市の担当者連絡会議をオンラインで開催したところ、非常に多くの皆様にご視聴いただきました。今後、夏までに調整のついた全ての都道府県等で域内の市区町村の担当者を対象としたオンライン相談会を実施します。すぐに役立つ活用事例や対応事例などを紹介している特設ホームページ(「StuDX Style(スタディーエックス スタイル)」)の充実や、保護者も含め学校関係者や学校設置者の皆様に円滑に情報提供するためのメールマガジン「GIGA StuDXメールマガジン」の創刊・配信に向けた準備を、チーム一丸となって進めています。

 今回のコラムでは、「StuDX Style」について紹介させていただきます。ほとんどの学校では本格的な1人1台端末環境での実践を始めたばかりで、どこから手を付けていけば良いかわからないとの声も伺っています。そんな時こそ、是非「StuDX Style」をご覧いただきたいと思います。
 StuDX Styleでは文房具や教具と同様、ICT端末を日常的に活用していくイメージを学校関係者に持っていただけるように、全てのOSでできることを対象とし、有料のソフトウェアをインストールしなくても活用できる実践事例等の情報発信をしています。StuDX Styleでは「『すぐにでも』『どの教科でも』『誰でも』活かせる1人1台端末の活用シーン」として、「GIGAに慣れる」「教師と子供「子供同士」「学校と家庭」「職員同士」が「つながる」といった身近な活用のシーン別に事例を紹介しています。
 私がこれまでの業務を通じて接してきた先進的な自治体や学校では、いきなり特別なことをされているのではなく、いまある環境を利用して、身近なできるところから活用を進められてきたところが大半でした。
 まさに、StuDX Styleの事例となっているように、端末の置き場所を含め、身の回りの整理整頓などの学習環境を整えること、最初の指導は少人数で行うこと、そして、端末活用のルールづくりや意識付けが必要なことなどから取り組みを進めて、徐々に活用が広がっていったという状況でした。
 端末活用といっても何から始めたらよいか分からない場合には、StuDX Styleの「GIGAに慣れる」シーンからお試しください。学校に1人1台端末が届いても、使いこなすためには、道具に慣れることが大切です。文房具や教具を使い始めることと同様に、どのような使い方ができるのかを知り、実際に試してみて、「こんな使い方ができそうだ」と実感を積み重ねていくことで、手になじむ道具になっていきます。
 次に「教師と子供」「子供同士」「学校と家庭」「職員同士」が「つながる」という身近なシーンの中から、日々の授業や学校生活に照らし合わせ、日常的に行っていることを置き換えできそうな事例から試してみてください。
 このように、「慣れる」「つながる」という視点から、StuDX Styleの『すぐにでも』『どの教科でも』『誰でも』できる事例を見ていただくと、使い始めるためのきっかけや、もっと使いこなすためのヒントが見つかると思います。今後、「StuDX Style」については随時改善し、より活用しやすい情報提供を心がけていきます。

松本 修(まつもと おさむ)
 GIGA StuDX推進チーム
 文部科学省初等中等教育局教育課程課専門官(併)情報教育・外国語教育課専門官
 民間企業を経て、2013年文部科学省入省。生涯学習政策局参事官付専門職、情報教育課専門職、初等中等教育局情報教育・外国語教育課専門職を経て現職

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