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令和5年 通常国会質疑から【第3回】

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行財政

 開会中の通常国会では、予算案・法案審議の他にどのような質疑があったか。衆議院文部科学委員会、参議院文教科学委員会などでは、まだ、あまり明らかになっていない政府の考え方などが見えてくる。3月9日の参議院文教科学委員会では、立憲民主党の熊谷裕人氏が救急救命に関し、AEDの使い方に関する授業などについて質問。文科省から明確な回答はなかった。学校現場では、既に、小学校段階から実践事例が出ている。

救急救命、小中高でどんな授業を

 熊谷裕人議員  昨年、韓国で雑踏で大きな事故がございました。その事故のニュースを見ているときに、韓国の若い人たちが救急救命、心臓マッサージをやっている映像が物すごく流れました。若い人たちがやっているというのを見て、何でなんだろうなというふうにちょっと思ったら、まあ韓国の場合、徴兵があったりするので、若い人たちがそういうところで学んでいるんだというのは後でニュースでやっていましたので、あっ、なるほどというふうに思いました。
 日本、我が国では、その救急救命というところは、小学校、中学校、高校といったところで内容が変わってくるかと思いますけれど、どんな授業をされているのか。AEDの操作に慣れるということも、子供たちがどこか学校以外のところでそういった場面に出くわしても使えるということにもなろうかと思いますので、そういったところも勘案して、どんな授業が行われているのか、お尋ねをしたいと思います。
 私、さいたま市というふうにお話をさせていただきましたけど、さいたま市では小学校の女の子が学校の授業中に倒れてAEDが使えなくて命を落とした事例があって、それを教訓にASUKAモデルという救急救命マニュアルを作っていたりしておりますので、そういったところの活用も含めて救急救命学習、そしてAEDの作業に慣れるといったところの授業が行われているのか、お尋ねをしたいと思います。

発達段階に応じてできるよう支援

 永岡桂子文科相 まず初めに、平成二十三年の九月にさいたま市立の小学校で、当時六年生だった桐田明日香さんが駅伝の練習中に倒れ、亡くなられたということに対しまして、心からお悔やみを申し上げたいと思います。
 救急救命学習につきまして、各都道府県教育委員会を通じまして、教職員等を対象とした心肺蘇生法の実技講習会の実施を支援するなど、教職員への研修に努めてはおります。また、文部科学省が作成いたしました学校の「危機管理マニュアル」等の評価・見直しガイドラインにおきまして、さいたま市教育委員会の体育事故時、体育事故時等におけます事故対応テキスト、これ今委員おっしゃっていましたようにASUKAモデルと呼ばれておりますけれども、これを掲載いたしまして、全国の先生方に周知をしているところでございます。
 各学校におきましてAEDの実技指導を含めた実践的な救命学習が発達段階に応じて確実に実施できるように、引き続きまして支援をしてまいる所存です。

何回もやって習熟を

 熊谷議員 発達段階に応じて適切に実施をしていくというふうに御答弁をいただきました。
 AEDの操作の仕方って、私は実は防災士の資格も持っていまして、救急救命も受けて資格持っていますので、何回も、年に一回は必ず講習を受けたりしていますのであれなんですけど、この委員会の委員の皆さんでもAEDの使い方、割とシンプルなんですけど、御存じない方もいらっしゃるかと思います。一回やはり受けただけでは、なかなか次忘れて、手順を忘れてしまったり、手順書は書いてあるんですけれど、そういうこともあろうかと思います。
 発達段階におきまして何回か、小学校でも中学校でも高校でも何回かAEDの操作の仕方、そして救急救命もこうやってやるんだというようなところを何回もやっていくことで習熟をしていく、いざとなったときにそれが生きるんだというふうに思っていますので、是非それは発達段階において確実に救急救命、そしてAEDの操作も含めて、子供たち、児童生徒に習熟をお願いをしたいと思います。

令和5年 通常国会質疑から