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令和5年 通常国会質疑から【第8回】

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行財政

 6月に閉会した通常国会では、予算案・法案審議の他にどのような質疑があったか。衆議院文部科学委員会、参議院文教科学委員会などでは、まだ、あまり明らかになっていない政府の考え方などが見えてくる。5月19日の衆議院文部科学委員会では、立憲民主党の白石洋一氏が大学入学共通テストの会場分布について質問。自身の選挙区がある愛媛県を含め、県庁所在地でしか受験できないことの課題を指摘し、是正を求めた。

小さな県でも複数地域に会場

 白石洋一議員 大学入試の際に行われる共通テスト、一月に行われる、過去は、センター試験とか、その前は共通一次と言われていた、この試験の試験場のことです。
 愛媛県については、試験場が県庁所在地一か所に集中しているんですね。それが、センター試験あるいは共通一次試験から四十四年間続いている。松山だけなんです。ということはどういうことかというと、愛媛県で松山市近郊以外のところは、前泊して入試に臨むということで、二泊しないといけないんです。そんなことが四十四年間続いている。
 これはほかのところと比べて相当不利だということで、例えば、やはり自分の自宅から試験場に行った方がそれはいいに決まっていますし、そして金銭的なところでも、通常は一泊四千円、五千円のところが、二泊で、そのときだけ三万円近く出さないといけない。しかも、予約のために一年前から電話して予約する。こういうことになっているんです。
 そういった状況、ほかの県ではどうかというと、そういったことが残されているのは佐賀県と熊本県。そこもまたどういう事情か私は分かりませんけれども、大体似たような状況じゃないかなと。複数あったとしても、例えば本当に広いところはそれに似たようなところがあるのかもしれません。
 でも、やはりこうやって問題が起きて、そして父兄からも改善を求めている。でも、四十四年間ずっとこのままになって、例えば、本当に面積の小さい香川県でもやはり複数ある中で、どうして愛媛県やその他の県だけこういったことになっているのか。ここを是非、文部科学省としても寄り添って、そして、課題があるんだったら、それを解きほぐして解決に導いていただきたいんですけれども、大臣、いかがでしょうか。

関係者に伝える

 文科相 先生おっしゃいますように、共通テストの試験会場が県庁の所在地のみに設置をしている、そういう県というのは、愛媛県とそして佐賀県と熊本県、三県のみのようではございますが、大学の入試共通テストは、大学入試センターと大学が共同して実施をする試験でございまして、試験会場の設置につきましては、地域ごとに設置をされました各大学の実施責任者による連絡会議におきまして、教育委員会や校長会などの意見を踏まえつつ協議をし、定めているというところでございます。
 新たな試験会場の設置に当たりましては、そのコストや当該会場におけます適切な実施体制の確保などについて留意をする必要がありますが、今回、前日に宿泊を要する受験生がいるという実情につきまして御指摘をいただきましたので、このことにつきましては担当部局から関係者にお伝えをするようにしたいと考えております。

解決策見出してほしい

 白石議員 お伝えをするだけじゃなくて、寄り添って、ヒアリングして、解決策を共に見出してほしいんです。
 というのは、ほかの、松山市以外でも、明徳短期大学とか岡山理科大学とかありますし、他県では、かなりの割合、高校で会場を設置しているところもあるんです。解決策はあるように見えるのに、なぜそれがなされていないのか。四十四年間、これだけ父兄の、あるいは子供たちの要望があるのにかかわらずです。
 ここは、是非入って、見てあげてください。基本はお任せでいいんです。でも、それでうまくいっていないんです。よろしくお願いします。

令和5年 通常国会質疑から