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生徒指導~小学校段階での考え方~【第109回】

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生徒指導は姿勢指導

 少年院へ出向いたことがある。体育授業の参観である。
 ともかく体育館を何度も往復して素早く歩く練習だった。次第に額に汗してさっさっさっとリズムよく歩けるように変わっていった。それも堂々としている様になっていた。
 指導は宮城教育大学の体育の先生だった。私はこの先生から夏期研修で「チャグチャグ馬っ子」を習った。本気になっていた。

 その時から姿勢を意識するようになり、授業中も集会の時もともかく姿勢を意識させた。身構えとでもいうのか、乱れたクラスも整い、部活動も皆の予想に反して大勝し続けた。
 指導主事となり授業を見て回る時、後ろからと横から見るようにした。後ろは姿勢を、横は教師と児童のやり取りや人間関係を見るためである。

 後ろからみると背骨の曲がり具合が分かる。小学生の成長は極めて早い。夏休みだけでも大きく伸びるから机と椅子を合わせねばならない。
 はっきりするのは、楽しい授業は子どもの腰が上がり、顔が突き出てくる。つまらぬ授業は頭がふらつき、ふんぞり反るから分かりやすい。
 これを気合いや恐怖心だけで繕うのは無理がある。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~