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生徒指導~小学校段階での考え方~【第117回】

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国外逃亡を許す慢心

 被告人の国外逃亡が起きた。ドラマかドッキリかと耳を疑ったが事実だった。法の欠陥があらわになったと実感できるできごとである。正月だから連絡がとれないと話す弁護士に慢心が浮き出ていた。
 こうした対応を校長や教師が取ったらメディアに散々に叩かれるだろう。謝らないで済む不自然さを感じた。常に最悪を想定して行動し判断するのが弁護士には当てはまらないのか。

 その点から、危険予知能力に欠けていたことは明らかである。学校でも危険箇所を放置して事故が起きれば責任は厳しく問われる。今回の逃亡も容易に予想できたと思うが、まさにマンガのような現実が法の下に法によって法が見事に破られたわけである。金は、権力をも法をも軽々と越えることがはっきりわかる事件である。

 「保釈中、かるくゴーンと、除夜の鐘」とでも詠みたいところだ。多くの協力者と組織が動いているわけだから、かなりの報酬が支払われる。その元金は庶民が夢を求めて新車を購入したお金である。こうした倫理を無視する価値観の人々が日本や海外に君臨している事実が分かった。私には、今後、誰も捕まらず処罰もされない結果が予想される。ならば、この事実を私達大人は、児童・生徒にどう説明すればよいのだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~