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GIGA元年 文科省StuDXチーム通信【第5回】

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学校デジタル化PT発足、ICTを当たり前のことに

 本連載第1回を担当した板倉寛です。約半年ぶりです。
 この10月から、学校のデジタル化政策の省内の調整役である「学校デジタル化プロジェクトチーム(略称、デジP)」が発足し、そのリーダーになりました。そして「GIGA StuDX推進チーム(ギガスタチーム)」も引き続き担当します。

 両方とも初等中等教育のICTという点では共通しますが、「ギガスタチーム」の業務が教育現場における1人1台端末の活用のサポートであるのに対し、「デジP」は調整役として広く学校のデジタル化に関わります。

 他にも、

 ・情報教育
 ・校務情報化
 ・セキュリティ対策
 ・国の情報通信ネットワーク「SINET」等の実証
 ・初等中等教育分野での教育データ利活用

 ――なども担当します。文科省には、教育全般のDX(デジタルトランスフォーメーション)のとりまとめ役である総合教育政策局教育DX推進室がありますが、その教育DX推進室や9月に発足したデジタル庁等とも連携して取り組みます。

 文科省ではこれまで、初等中等教育分野の情報教育や情報環境の整備を情報教育・外国語教育課が一元的に担ってきましたが、今後、ICTは「特定の者だけが担当する特別なもの、専門的なもの」ではなく、「どの者でも担当業務の前提として当たり前に組み込まれるもの」になっていきます。「情報」の名がつかない担当でも、当たり前にICTを内部に取り組み、ICTを活用した学校や先生方の姿を意識しながら、各分野の政策を考えていけるよう学校のデジタル化を推進していきます。
 学校においても今後ICTを内部化していく、デジタル化していく必要性があります。学校のデジタル化を進めるにあたっては、先生方がこれまで果たしてきた役割を十分踏まえながら、その本質的な役割を常に意識して、研ぎ澄まし、必要な業務を焦点化、重点化していき、これまで以上に良い教育につなげることが重要だと思います。並行してデジタル化により業務の効率化をできるところはどんどんと効率化していくこともまた重要です。
 「ギガスタチーム」としては、現場に寄り添う方針は初志貫徹し、その時その時で一番求められるものは常に何かを考えながら、柔軟に手を打っていきたいと思います。教育現場の状況を積極的に把握し支援を行なうことで、ICT使用に関わる心配に対する的確な対応策、ICT活用による教育そのものが良くなっていく姿をStuDX Styleメルマガなども活用しながら、具体的な取り組みを普及していきたいと思います。

板倉寛(いたくら・ひろし)
文部科学省大臣官房文部科学戦略官、初等中等教育局視学官、学校デジタル化プロジェクトチームリーダー、GIGA StuDX推進チームリーダー、学びの先端技術活用推進室長
1999年文部省(現文部科学省)入省。教育課程課係長、内閣官房副長官補室参事官補佐、島根県教育委員会総務課長、特別支援教育課課長補佐、大臣政務官秘書官、初等中等教育企画課課長補佐、在英国日本国大使館参事官(外務省出向)、教育課程課教育課程企画室長等を経て現職。

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