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一刀両断 実践者の視点から【第118回】

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「わいせつ保育士」、再登録に疑問

 本紙の記事を読むにつけ中途半端な施策の多いこと、実効性の弱さや各省庁の前例踏襲の変わらない変えられない忖度を感じさせる。特に12月13日の一面には違和感を持った。それは記者が浮き彫りにしてくれた。
 《再登録禁止期間の延長 厚労省検討会「わいせつ」保育士巡り》という見出しの記事である。再登録禁止期間をこれまでの2年から3年にして、あとは地方へお任せとなっている。わいせつ保育士を再び任用する前提がまずもって理解できないし、情報共有もかなり困難が見込まれる。確かに人手不足はあるだろうが、それとこれとは次元が違う。こうした検討委員会の大きくずれた感覚にも驚くが、現場を理解しない委員を委員とする輩の資質こそがズレの根源のように思える。
 既成概念を砕かなければ、現実を改善することは何一つできない。肩書きや立場で委員を選ぶようだが、そこに適任者がいることは滅多にないのが分かってやっているのだから、本気ではないということである。残念。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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