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一刀両断 実践者の視点から【第187回】

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論説・コラム

金があるなら「子ども食堂」へ

 今回の元首相襲撃事件は、政治と宗教の問題へと広がってきた。そこは本丸ではないが整理する必要はある。
 多くの家では何らかの宗教に縁があるだろう。中には無神論を主張する方もいる。宗教についての認識は様々であるが、やたらと毛嫌いするように意識させられているようにも思えてならない。
 今回の問題は、「金と宗教」という論点に絞れば分かりやすいのではないだろうか。すなわち集まったお金をどのように使うかと言う事である。
 教祖やリーダーの収入や日常の生活を見ればその宗教の本質が見えて来るものである。本来質素倹約が基本であり欲望を厳しく制御するのが教えであるが、権力を手にすると豹変して私利を貪る似非宗教者がそこかしこに存在している。
 私の知る人は自らの執筆などで得た私財を全て支出し、借家に今も住んでいる。贅沢は皆無で庶民そのものである。この私的な日常の生活を見れば本物か偽物かははっきりするはずである。
 ブッダもキリストもアラーも心の豊かさは求めたが、物欲を嫌った。その弟子や後継者が真逆をやり金ピカに着飾り贅沢三昧をしていても成り立っている現実を見れば似非である事は明白ではないだろうか。
 豪華な衣服を身にまとうならば、その分で子ども食堂に支出してはどうだろうか。その質問の出来る信者でなければ、傲慢なリーダーを作ってしまう。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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