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保護者や地域からのハラスメント対策に「弁護士対応」求める声多く 都教委調査

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都道府県教委

 東京都教委は、保護者や地域からのハラスメント防止策の検討のために実施した教職員調査の確定値を公表した。児童・生徒指導や、いじめ・不登校への対応をきっかけとするものが多かった。対策としては、弁護士による対応や、電話の録音機・防犯カメラの設置を求める声が多く上がった。
 調査は今年4月、都内公立学校の全教職員を対象にネット上で実施し、1万2137人が回答した。5月公表の速報値では、約2割の教職員に被害経験があることなどが明らかとなっている。
 ハラスメントのきっかけは、全校種で児童・生徒への指導が最も多く、3割程度を占めていた。小・中学校では「いじめや不登校」、特別支援学校では「相手方の勘違い」が他校種よりも高かった。特別支援学校に関しては、執拗に繰り返し問い合わせるようなハラスメントの割合が他校種よりも高かった。
 どの校種・年代でも保護者からのハラスメントが多いが、外部対応の機会が多い副校長に関しては他の職階よりも地域住民からのハラスメントの割合が高かった。
 回答者の年代別では、40代以上では地域住民からのハラスメント被害の割合が高くなっていた。分掌主任や管理職などを務める人が多いことが要因といえそうだ。
 また、ハラスメントがきっかけで「心身に不調が生じた」「仕事への意欲が低下した」との回答の割合は20代が最も高かった。
 調査でハラスメント対策のために必要だと思うものを複数回答で尋ねたところ、「弁護士による対応」が最も多く1668件。次いで「電話録音機・防犯カメラの設置」が1372件、保護者や地域住民への啓発が1324件、電話対応の外部委託が1290件と続いた。
 対応マニュアルの作成は620件だった。
 確定値は17日、非公開だった有識者会議で示された。都教委は後日、議事要旨をホームページで公開する予定だ。

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