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AIが前提の教室で変わること 変わらない大切なこと 教科教育の未来予想図

15面記事

書評

東京学芸大学附属小金井小学校AI活用プロジェクト 著 鈴木 秀樹 編著
授業のねらいを実現する活用法

 生成AIの利活用を目的にするのではなく、教科のねらい、授業のねらいを実現するために生成AIの利活用がどうあるべきかを強調し、理論と実践で示した。
 「それは『AIに聞けば何とかなる』問いを子どもに向ける授業では学びにならない時代」の授業の在り方、教師の指導の構えを問うことにつながる。
 文科省の「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン」作成に委員として関わった編著者の教師目線での解説(第1章ガイドラインから考えるAIとともに生きる子どもに必要なこと)から始まり、教科教育が持つ本来の力を見直し、授業そのものの目標を実現するために生成AIとどう向き合うか(第2章AIを前提にしてもぶれない授業デザイン)を示した。
 例えば「小数÷分数×整数」問題で、あらかじめ教師がAIに計算の仕方のアイデアを求め提案された五つを素材に、五つのアイデアが出せたら勝ち、出せなかったら負けと児童に投げ掛け、グループでの討議を経て全体で共有して思考を刺激、拡張していく授業などは、読者の思考も揺さぶるのではないか。
 第3章に収める教科別の13の実践例は附属小教師たちの知恵比べであり、それぞれの提案は附属の公開授業を見ているようだ。進化するツールをどう授業に取り込むか、教科の専門家集団である附属の存在意義を再認識させられる。
(2200円 明治図書出版)
(矢)

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