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解決過程じっくり掘り下げた数学書

9面記事

書評

新テストも重視

現代の大学入試数学(I)図形編 もしこの問題に出会わなかったとしたら?
鶴迫 貴司 著

 2020年度から始まる大学入試の新共通テスト。数学Ⅰには記述式問題が加わることもあって、2回の試行調査は出題内容に注目が集まった。
 昨年、今年と難易度の違いはあれ、数学的な表現を用いて説明する力を見ようと、「解決の過程」を重視する姿勢は共通していた。今年出された階段の踏面の条件について三角比を使って考察させる問題(数学Ⅰ第1問〔3〕)はその一例だ。
 そうした問題の解決過程を、じっくりと掘り下げているのが本書。新課程入試が始まった2015(平成27)年から、今年1月までの図形に関するさまざまな入試問題と自身の答案を載せた。大学入試以前の中学校で教える平面図形と空間図形の延長的な例題を載せた後、各種入試問題へ。最後には複素数平面の問題をまとめている。
 入試数学の基礎・基本から新テスト、個別入試を見据えた問題まで幅広く掲載しているのが特徴だ。
 現代数学社 2300円(税抜き)。

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