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東日本大震災から8年(3) 東京の教員への感謝

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 今回の宮城県出張は、東松島市を中心に、岩沼市まで足を伸ばした。岩沼市は仙台駅から普通列車で20分ほど。岩沼駅に降り立つと、商店や住宅が広がる。
 震災から8年が経とうとする今、現地を訪ねても被害状況は見えないことが少なくない。岩沼市の訪問もそうだった。
 訪問の目的は、教育長へのインタビュー。駅から徒歩20分ほどの市役所を訪ねる。インタビューを始めると、この市役所庁舎に多くの人が震災後に身を寄せ、災害対策の本部として多くの物資が積み上がっていたという。今では、その様子は少しも感じられない。
 震災後、岩沼市の学校でも避難訓練を強化し、学校の災害への意識は大きく変わったという。そんな中でも、津波の被害を受けた地域の小学校では、今も、津波の映像を見せない。どれほどの傷を心に負い、映像がどのような影響を及ぼすか分からないからだ。
 外からは見えない配慮と苦労があるようだ。
 震災直後を振り返ってもらった。当時、東京都から現職の教員たちが200人も岩沼市を訪ね、支援してくれたことが印象に残っているという。学級担任を務めていた教員が年度の途中に、来てくれたこともあった。感謝し尽くせない様子だった。
 東京都に限らず、あの震災では多くの人が、被災地に目を向け、力を貸した。「絆」という言葉があちこちで聞かれた。それから8年が経った今、当時からの「絆」を伝え続けていかなければ。

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