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知っているだけで大違い!授業を創る知的ミニネタ45

14面記事

書評

土作 彰 編著
誰もがすぐに取り組めるアイデア

 どうすれば子どもたちが飛びつくような授業になるだろうか。日々、授業創りに悩む教員の姿がある。そんな真摯に悩まれる先生方にお薦めの一冊である。
 第1章は「授業に使えるミニネタ」、第2章は「学級経営に使えるミニネタ」の2章構成。教科の実践例から少し紹介しよう。例えば算数では「文章問題をわかりやすく解く方法」、社会「都道府県フラッシュカード」等。すぐに、誰もが取り組めるアイデアである。「誰もが」「すぐに」がキーワードだろう。さらに教室での教師の立ち位置や机間巡視も指南。あまたの理論書や実践書はあるが、こういった点に言及したものは案外少ない。
 評者が気に入ったのは国語科の二十四節気の暗唱。暗唱で終わらず内容も知りたいと言ってくれるとうれしい。日本の風景も添えた波及が期待できそう。本書のネタを広げ深めていくのは読者。「こうすれば子どもたちの目が輝くのでは?」「あの子が『分かった!』と自信を持てればいいな」と目の前の子どもたちを思い浮かべて実践していくと、さらに多くのネタが集まりそう。
 ネタといえば軽妙なイメージでハウツーものと受け取られそうだが、ネタはアイデア、創意工夫だ。そこには、子どもへの愛があり、子どもの笑顔が見たいという先生たちの姿がある。加えて、著者は悩んでいる同輩の思いに共感できる実践家である。
(1870円 黎明書房)
(藤本 鈴香・京都市総合教育センター指導室研修主事)

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