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一刀両断 実践者の視点から【第7回】

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USB紛失、防ぐためには

 静岡市の小学校教諭が127人分の個人情報入りUSBメモリ紛失というニュースが出された。このような持ち出しは至るところでされているのではないだろうか。紛失しても報告しない者はかなり多くいると思われる。紛失物として警察に届いているUSBは数百を越えているそうだ。パスワードもつけられていたら、わざわざ内容を確認はしないという。
 こうした実態からして黙っていれば見つからないし騒ぎにもならないのである。コンプライアンスからしたら許されはしないが、現実はそうなのである。
 同じデータをメールに添付して自分に送れば校外での作業は可能になる。自治体ではかなり厳しいガードをかけているが使いづらさはストレスになる。
 ネットに繋がっていればほとんどの情報は盗まれるのが常識である。こうしたマル秘情報を漏らさない方法として、一番安全とされているのはファックスといわれる。一番の情報発信源は人間の口である。わざわいは口から出て身を汚し、幸いは心から出て自身を飾るのたとえもあるように、言葉を発するときは余裕を持ちたいものだ。
 持ち帰る仕事は作らないという習慣をつけるように、私は現職の頃、研修会や自校で実践し教えてきた。こうした実践的な学びを浸透させれば、不祥事は起きにくい。本来、家庭は英気を養う場であって残務を持ち帰るところではないことを、初任の時に徹底して習慣付ける事が必要なのである。
 その真逆を結果として教えている初任者研修になっていないかと厳しく問いたい。仕事の量でなく質を再度見直し、抜本的な改革を担当者なら波風を承知でやって欲しい。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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