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一刀両断 実践者の視点から【第10回】

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論説・コラム

学校ほど危険なところはない

 校内施設の管理不備によると思われる死亡事故が起きた。小学校の防球ネットの支柱が折れ、児童が命を落としたという。
 学校ほど危険なところはないと思う事が何度かあった。住民の生活道路が先にあって設けた学校では、門が閉められないことがある。事件が起きた大阪教育大学附属池田小のように一等地にあっても不審者は入る。ましてや体育の最中にも学校敷地内を人々が往来するのである。
 利用価値の低い湿地や窪地、鉄塔が校庭のど真ん中にある学校もある。昔は一等地に学校を設置した。この違いが鮮明である。
 校内施設を素人の教員に点検をさせているのは市町村である。管理責任はすべて市町村にある。それは教育にお金を掛けてこなかった代償でもある。何よりも教育へ予算を掛けなければ安心安全な環境が出来るわけがないのである。よって予算を決める議会、すなわち議員や担当すべてに責任を追求される非がある事になる。
 防げた事故であり、人的殺人ともいえる出来事である。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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