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一刀両断 実践者の視点から【第36回】

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知事が免許更新制見直しを要望

 千葉県知事が国に対し、教員免許更新制の見直しを要望したという。そのニュースを嬉しく読んだ。知事がこうした行動に出たことをまず評価したい。この制度の実情をよく理解した行動である。
 教委も関係者もよく頑張ってくれたと後輩を誇らしく思える。確かに講習に行っても充実感はほとんどなく、自腹で行かせるのだからたちが悪い。
 唯一の利益は認定を得て講習をする大学等の利益しか考えにくい。誰が何のために始めたのか、その成果の検証もなくやり続けた罪は重たい。
 更新を忘れて免許を失い、失職までさせた制度の問題点を聞く耳を持たずに我関せずとした大臣他官僚も教師に過重負担をかけた事実を猛省してもらいたい。分かっていて大きく改めようとしなかったからである。
 研修を受けた教員で更新講習を受けて教師力や授業力が格段に高まったと認識している者は皆無に近い。正当な批判をできない教師にしてしまっては、クリティカルシンキングなど児童生徒に教えられるはずはない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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