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現代家族のリアル モデルなき時代の選択肢

18面記事

書評

中込 睦子・中野 紀和・中野 泰 編著
変わりゆく姿、課題を読み解く

 現代社会における「家族」像は大きく揺らいでいるという危機感を多くの読者は抱いておられるだろう。本書は、日本の社会学・文化人類学の家族研究に、民俗学の最新の研究成果を加え、今後も変化し続けるであろう「家族」と、そこで展開される人々の暮らしを読み解くことを試みている。
 「家族」に関わる六つのキーワードごとに二つ~三つの章を設け、全体で15章から成り立っている。例えば、第I部「結婚から始まる家族」は、第1章「様変わりする結婚式」、第2章「結婚しない・できない若者たち」から成り、現代日本の大きな課題である未婚化の進行について、その背景、現状と課題を、身近な事例を用いて分かりやすく、リアルに描いている。そして、少子化問題について、喫緊に取り組むべきは未婚化対策であると提言している。
 本書を読んでいると、自分自身の「家族」が、時代の流れの中で、社会の変化にからめ捕られ、どのように変質していったかが見事に解明され、それがどのような社会問題として現在に至っているかがよく理解できる。
 「家族は社会の核である」という考え方自体が揺らいでいる現在、学校は子どもに何をどう伝えるべきか、本書を手掛かりに真剣に考えなければならないのではないか。
(3300円 ミネルヴァ書房)
(新藤 久典・文部科学省学校業務改善アドバイザー)

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