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施設類型を超えた5歳児教育を 共通プログラムを検討

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中教審

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 文科省は8日、中央教育審議会の初等中等教育分科会を開き、5歳児教育の共通プログラムの開発を始めることを決めた。幼稚園、保育園、認定こども園といった施設類型にかかわらず「ことばの力」など共通に育てたい力を養い、小学校教育への円滑な接続を目指す。近く特別委員会を設け、検討を始める。
 幼稚園教育要領などでは、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿として「健康な心と体」や「自立心」「協同性」など10項目を示している。共通プログラムでは、これを踏まえながらも、特に「ことばの力」「情報を活用する力」「探究心」を確実に付けさせるための方法を検討する。
 同日の分科会では、就学前と小学校の教育をつなぐための議論に期待する意見が出る一方、「質的に違う教育をつなげるのは難しく、相互の理解が必要になるが、まだそれぞれの教育内容への理解が進んでいない。議論が上滑りする恐れもある」といった指摘も上がった。
 文科省は特別委員会で年度内にプログラムの試案をまとめ、来年度からモデル事業として始める。特別委員会の委員には、無藤隆・白梅学園大学名誉教授や秋田喜代美・学習院大学教授が就く予定。
 萩生田光一文科相は、5月に経済財政諮問会議で公表した「幼児教育スタートプラン」の中に「幼保小の架け橋プログラム」を明記。その後の会見で「ことばの力、情報を活用する力、探究心といった生活・学習基盤を全ての5歳児に保障する」と狙いを話していた。
 初等中等教育分科会では、教育委員会事務局の機能強化を検討する有識者会議の設置も決めた。事務局職員の育成や校長を中心とした自律的な学校運営を支援するための教委組織について検討する。
 学校運営の専門人材を育てるための特定のキャリアパスの在り方も議題にする。平成27年施行の改正地方教育行政法で設置を義務付けた総合教育会議の活用についても議論される見通しだ。

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