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一刀両断 実践者の視点から【第78回】

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教職員ら、「会食」により処分

 《大阪府・市教委が校長ら教職員775人処分 自粛要請中に多人数会食》(毎日新聞)という見出しの記事には驚き、呆れてしまった。まさに無法地帯のように感じられる。常識を遥かに越えた現実があった。教育は機能しているのだろうか。まるで他国のように思えてしまうほどの現実である。そのモラルの低迷に危機感を感じた。
 処分内容も話にならない。冗談のように笑い事で済ませてしまうだろうと思われるものばかりであった。履歴に載せない形だけの処分である。全員減給以上に値すると考える。
 調査にあたって、「一応注意はするけど、何のキズもつかないから正直に言ってよ」とでも言われたのか。こうした半端なことをしていると、さらに大事に至ることは目に見えている。
 これが他の自治体でも同じようなら、教育は崩壊していると言われても言い訳ができない。
 行政職員も処分されている。その緩みというか市民の信頼はため息になっているだろう。
 しかし、他の職員や教員がルールを粛々と厳守して居ることを忘れてはならない。是々非々の判断ができない教委ならば、存在の意味を持たない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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