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一刀両断 実践者の視点から【第88回】

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皇族の結婚

 皇室の結婚話が盛り上がっている。皇族のパートナーに相応しいとか相応しくないとかは趣味趣向になるので如何ともしがたいものである。恋愛は熱病のごとくものであり、冷静なときとは違って見えるものでもある。青年期にあっての恋愛やセックスなどについて、熱病にかかる前に学ぶ機会が今の家庭にも学校にも存在しない。この極めて重要な学びを私たちはあまりに疎かにしてはいないだろうか。
 これはある意味で人生最大の判断であり、その後の人生を左右するにとどまらず次の世代までも左右する事になる。児童虐待のニュースと皇室のニュースに共通した点も私には見えてしまう。
 あのダイアナ妃の人生からすれば平坦かもしれないが、その身分に生きることを選ぶのも、その環境から離れたいと願うのも現実である。幸せは誰もが抱き、望む夢ではあるが、現実生活は甘くはない。メディアが騒ぎすぎているのはもちろんではあるが、自分事にして考えて恋愛観や人生観を学ぶにはよいチャンスではあるだろう。
 障害があればあるほど助け合いながら生きるものである。しかし、この年齢での判断が如何に未熟であるか時を経て気づくことになるかもしれない。
 自己の判断や行動を振り返りながらあの時こうすればよかったと考えない日々はなく、よく持ったものだと家族にも感謝しつつ自分自身の30年を振り返っている。
 今のところは祝福されにくい状況が続いている二人を、様々な立場から見つめつつ学生にどう投げ掛けようかと思案している。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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