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GIGAスクール構想で進化する学校、取り残される学校

18面記事

書評

平井 聡一郎 編
課題、阻害要因の克服策を提案

 刺激的なタイトルだが、GIGAスクール構想の意義を受け止め「日本のすべての学校が『進化する学校』となることへの一助となることを願います」との編著者の思いが込められている。
 章立ては「GIGAスクールを失敗させないために」(1章)、「学校全体のICT化を進める」(2章)、「授業・学びのICT化を進める」(3章)、「成功の鍵を握る学校管理職」(4章)、「成功する自治体、失敗する自治体」(5章)、「GIGAスクールのその先へ」(6章)、「これで解決!GIGAスクール1問1答」(7章)。
 「現段階では、デジタル機器の有効利用の探索は、子どもにじっくりと考えさせることを意図しない状況に限定すべきだ」と主張し、やや異色に映る論考もあるが、コロナ禍を背景にした学校あるいは自治体での取り組み、GIGAスクール推進のために必要なことなどを提案した30を超える論考は示唆に富む。
 取り上げる課題は活用ビジョンを示さず現場に丸投げの教育行政の問題、1人1アカウントの重要性や家庭での活用などを含めた環境整備のあれこれ、機器が苦手な教員への対応、管理職が阻害要因にならないために、個人情報の取り扱い方など、多岐にわたる。
 長年実現しなかった1人1台の環境整備が急速に進展した快事を、後世から「拙速だった」と評価を受けないよう、現場の踏ん張りを応援する書として読みたい。
(2420円 教育開発研究所)
(矢)

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