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一刀両断 実践者の視点から【第101回】

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論説・コラム

女性の自殺と政治

 女性の自殺が増加している。この現象は今後の未来への警鐘とも感じられる。生命を育み生み出す母体が自ら失われている。
 要因は様々あるだろうが、この数の背景には、自殺未遂や個々人に起きる自殺への衝動がある。全体では、恐ろしい数になるのではないだろうか。
 溢れる物や食材の向こうに子どもの貧困があり、高齢者の独居があり、青年の自殺があり、それらの数が世界でもトップクラスにあると言われている。身近に感じなければその逼迫した現実は目に入らないのである。
 私の所属する町会でも独居での腐敗した遺体が見つかっている。子ども食堂にも20名近くの参加がある。こうした現実を変えるのは誰なのか。もちろん私であり、私たちである。
 継続して行くためには行政との連携が不可欠であり、政治の目線をもっと庶民へと向ける必要がある。政治を監視して変えるのは青年の熱と力が一番有効であるのだから、主権者教育をより実践的に大改革すべきではないだろうか。
 例えば選挙期間は青年層に有給で選挙活動を保証するとか、学生にもその期間は選挙運動や地域活動を実践的に体験させて単位認定にするとか、やり方は様々にあるだろう。それはいいね!と、思うならば、すぐやればいいのである。行動なき雄弁は偽善に過ぎない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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