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ICTで変わる社会科授業 はじめの一歩 1人1台端末を活かす授業デザイン

16面記事

書評

朝倉 一民 著
主体的に学ぶ実践例が豊富

 学校教育は今、変革の時期にある。児童・生徒1人1台端末が整備され、ICTを活用した新たな学びのスタイルが求められている。
 本書は、ICTで変わる社会科授業のはじめの一歩として、1人1台端末を活かす授業づくりをする上で極めて参考になる。
 著者は、「これまでの教育のベースの上にICTの活用があるべき」「ICTをつかえば効果的だという授業観を増やしていくことが大切」と記している。
 例えば、「社会科授業は、資料が命」とよくいわれるが、何十枚も印刷して配布するよりは、端末にデータを送った方が効果的である。

 本書の第1章から第5章は、

 ・なぜICTは研究ベースにのりにくいのか?
 ・社会科におけるICT活用の意義
 ・GIGAスクールに合わせて準備したい環境構築
 ・そもそもどの程度のICTスキルが必要なの?
 ・ICTをつかって満足していませんか?(形成的評価と総括的評価)

 ―等が記され、どれも興味深い。
 圧巻は、第6章、第7章である。第6章は、調べ活動やデジタル新聞の作成等、ICTを取り入れた社会科授業づくりの実践例が16掲載されている。第7章「すぐできる! ICT活用社会科」では、小学校3年から6年まで、33もの活用例が記されている。教育現場ですぐに活用できる、子どもが主体的に学べる活用例が満載である。
(2310円 明治図書出版)
(谷 智子・高知大学客員教授)

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