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一刀両断 実践者の視点から【第107回】

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財務省の発想

 財務省の審議会が、日本の小学校は教員が担当している授業時間数が少なく、教科担任制を本格導入する際、教員増は不要との考えを示したことに対して、末松文科相は「休憩時間を指導時間の中に算入している国があるなど算定方法に各国でばらつきがある」と指摘したという。業務内容でも、日本は教員が教科指導と生徒指導をしているため、比較された国とは環境が違うと反論したとのことである。
 その通りである。こんなことも分からない財務省はとんでもない組織になっていることが分かる。ある意味の特権階級で実態とかけはなれた数を示して煙に巻くのだから酷いものである。
 こうした事は県でも同じで、財務を担当する職員には似たような傾向がある。
 教員採用試験の実技試験でかなり前に亡くなった学生が居たと知り、行事保険をかけたいと申し出たことがある。県庁職員の試験には保険をかけているのに教員採用試験には掛けていなかったのである。すると、「今まで掛けないでできていたのだから出来るでしょう」と回答したのである。
 すかさず、「ならば責任追及がされたら賠償金は保険の掛け金では済みませんよ」と話すと、「検討します」と返してきた。暫くして「必要なら配当予算内でやってください、他を削ってやりなさい」とされた。
 これが金を握っている者の常套手段である。残業手当は満額もらい、出先は頭打ちにされているのである。この理不尽な体質を変えない限りは民主主義と言えども◯◯主義と何ら変わらないのではないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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