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ふせんと新聞を使って身近なニュースから SDGs出張授業

13面記事

企画特集

東大和で
朝日新聞

 東京都東大和市立第二小学校で12月3日、「身近なことを世界とつなげる」(朝日新聞社企画)をテーマにしたSDGs(持続可能な開発目標)の出張授業が開かれた。朝日新聞とオリジナル副教材「ペタッとSDGs新聞学習ふせん」を活用した授業には6年生の3学級(計約110人)が参加した。

 今回の企画では、「身近なニュースを入り口にSDGsに興味を持ってもらい、自分に何ができるかを考えてもらおう」と、朝日新聞マーケティング戦略本部と朝日新聞販売所(ASA)が連携。ASA大和南部の奥田康二所長が市教委に提案し、実現した。市教委の小野隆一参事は「コロナ禍でSDGs教育が思うように進まないところもある。その折に良い提案を頂いた」。
 奥田さんは前もって朝刊150部を学校に配り、児童はSDGsの視点で記事を読んで授業に臨んだ。6年生の担任、片山香里教諭は「見出しを分かりやすく説明し、記事を理解してもらうように努めた」。

 授業ではまず、朝日新聞CSR推進部の講師がSDGsの仕組みと考え方を説明し、貧困や飢餓について問いかけた。
 「世界では飢餓に苦しむ人が多く、日本でも貧困層が増えている。どうしたらよいか考え、行動していくことじゃないかな」
 メインの教材は、11月25日付の朝刊紙面。SDGsの目標が色鮮やかにあしらわれた「ふせん」を使い、児童は関連性のある記事にコメントと名前をつけて貼った。コメントを書いた理由も発表して約1時間半の授業を締めくくった。片山教諭は「新聞を読み、考え、ふせんに自分の考えを書き込む一連の作業が良かった」。市教委の小野参事も「朝刊とふせんを使った教育効果の高いプログラムだと感じた」。他の学校でも実施を検討するそうだ。

 6年生の西本沙羽さんは、「新聞を教材にして学ぶのは初めてで面白かった」と話す。「特集以外でもSDGsの記事を見つけ、食品ロスのことを知った。時々、食事を残すことがあるので、これからは気をつけたい」。
 授業の様子は12月5日付朝刊の都内版に掲載された。反響は大きく、ASA大和南部には金融機関や行政から一緒に授業に取り組みたいという要望が寄せられたという。

 朝日新聞社のSDGs出張授業は2018年ごろに始まった。首都圏や関西圏を中心に実施し、オンライン授業は地域を問わない。小中高や短大、日本語学校、特別支援学校、学童、各種研修会から依頼が寄せられている。申し込み方法は、同社のサイト(https://www.asahi.com/corporate/nie/)へ

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