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一刀両断 実践者の視点から【第131回】

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「処分」への疑問

 スーパーマーケットで食品を盗んだとして逮捕された特別支援学校に勤める教員が懲戒免職処分になったと報じられている。隣の県では先日、組合専従の職員が飲酒運転で逮捕されたが懲戒免職処分にはならなかった。
 確かに窃盗はあるまじき行為ではあるが、飲酒による運転は鉄の塊を運転するのだから大事故になり殺人に繋がる行為である。処分の扱いにバラツキがある事がわかるだろう。
 こうした曖昧さが法治国家の現状なのである。私たちはこうした事実を見過ごして容認してはいないだろうか。
 高校での生徒特別指導でも同じような事が起きている。同じ喫煙や窃盗が起こった際、進学校なら謹慎で済ませ、課題集中校なら退学にする事がある。公正公平にはなっていないのである。
 「法に照らして」と法を振り翳して豪語する素人がいるが、この違いで人生が左右される理不尽さを納得のいくように説明してほしい。その現実は職権濫用ではないのだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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