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楽しい学校をつくる特別活動 すべての教師に伝えたいこと

18面記事

書評

安部 恭子・平野 修・清水 弘美 著
本質押さえたコロナ禍での工夫

 集団活動を特質とする特別活動は、3密を回避するために中止や縮小などを余儀なくされている。このことは、図らずも特別活動を見直す機会となっているが、実は特別活動について研究している学校は多くない。日本の教育の特色の一つである特別活動について理解を深め、充実を図る時機にある。
 本書は、文科省教科調査官と、小学校で研究・実践を積み重ねてきた2人のベテラン校長との鼎談から始まる。コロナ禍で明らかになった特別活動の教育的意義を熱く語り合っており、特別活動の本質を理解するのに役立つ。豊富な実践を持つ三者だからこその説得力があり、特別活動で陥りがちな集団主義的な思考や実践に警鐘を鳴らし、自発的・自治的な活動にする具体策も盛り込まれている。同じような活動でも、教師の意識によって「学びのある活動」が高まっていく。また、コロナ禍での学校行事の具体的な取り組みが紹介されていて、さまざまな制約の中で知恵を出し合い創意工夫する教師たちが頼もしい。
 新学習指導要領が示す「学びに向かう力、人間性等の涵養」のために、また、いじめ・不登校問題に対しても、自分の良さや可能性を発揮できる場や機会をつくることは、今日的な意義を持つ。人間力を育てる場として、特別活動の本質を押さえた実践が展開されることを期待したい。
(1980円 小学館)
(大澤 正子・元公立小学校校長)

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