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一刀両断 実践者の視点から【第144回】

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論説・コラム

権力と財力の魔力に振り回されぬために

 教育の影響力を今一度考えてみたい。人は人が行う教育によって人になると言われる。しかし、権力を持ち財力を得ると明らかに変わる様子が見て取れる。分かりやすいのは議員である。しかし、その魔力に振り回されないで誠実を尽くす人物もいる。
 ここで確認したいのは、教育力の程度である。ほとんどの場合何らかの教育を受けているはずだが、悪に手を染める犯罪は減らない。これこそが教育力の非力さの表れではないだろうか。すなわち人としてならぬ事をならぬとして徹底されておらず、欲望が勝る現実が自分自身にも周りにも絶え間なく起きている。罰則があっても完全には制御できてはいない。
 リーガルコードを優位にして考える方がいるが、その現実はどうだろうか。利用しているだけの様に見えてくる。モラルコードを考える時、世界宗教や世界哲学を人類の共存共栄の為に国連やユネスコが忖度せずにすべきではないだろうか。
 人を殺す事を認めてしまっている現実に自国の教育力は大丈夫なのか、独裁者を出さない教育が出来ていない現実が目の前に展開されている。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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