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一刀両断 実践者の視点から【第153回】

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知床の遭難事故に学ぶ

 知床半島沖の遭難事故は大きな課題を投げかけている。この事故には様々な過失が隠れている。天候判断は船長に任されている。設備違反があっても出航させられる。監視機能が存在せず、やりたい放題になっている。
 行政指導も免許を与えて営業許可を出していたのなら責任は問われるだろう。
 失われた命の代償になるものは存在しない。ならばこそ、安全安心を優先してこその営業であり、楽しみを保証するには安心安全がプロとしての基本となる。
 船長や社長を責め続けたい気持ちも分かるが、犠牲が出ないと動かない輩の方が悪質に思えてならない。それを教えて考えさせてこその授業ではないだろうか。そんな授業の出来る教師に私はこれまで会ったことがない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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