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一刀両断 実践者の視点から【第203回】

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慢心が不祥事を生む

 スカート内を盗撮して捕まる教員がいる。欲望が抑えられなかったなどと動機を語る。こうした性欲はどのようにして制御すべきなのだろうか。
 やってはならない事をやる事で興奮するのかもしれないが、そうしないための予防策を誰も示していないのが、ある意味、不思議でならない。
 ましてやその範を示す教師がかなりの頻度でニュースにされると、関わった教え子や関係者の落胆と憤りは計り知れない。
 かつて私の同僚も盗撮で捕まった。日頃から皆に気を遣い人事管理の仕事をして、信頼も厚く新任校長として期待される人物であったから、突然の報道には言葉を失った。
 家庭的な課題があったと後から知らされたが、その学校は公開研究会も中止になってしまったのである。
 こうした代償がある事を分かっていたのだから、どういう精神状態だったのか想像さえも出来ない。
 唯一考えられるのは慢心である。校長になったとか、よい結果が出たとか、いい気になっている時のように思われる。
 登山では、頂上付近で、滑落など遭難することが多いと言われる。校長を目的にしているようでは校長の才覚は無い。さらに高みの人間道からすれば、校長職などは入口にしか過ぎないのである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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