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一刀両断 実践者の視点から【第213回】

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資質に乏しいリーダーはいないか

 <昨日の「あの暑い中、よくあの中にいて…」園長が会見で謝罪もまるで“他人事”女児の名も言い間違え…幼稚園バス3歳児置き去り死の会見>(FNNプライムオンライン)という見出しの記事で記された内容は想定した通りであった。
 無責任極まりない過失致死として法的に罰されても、失われた幼い命は戻らない。こうしたリーダーと共に勤務していた職員も加害者と呼ばれるかもしれない。同時に、被害者でもあるように思われる。
 こうしたリーダーの資質が分かっていた場合、どのように今回のような事態を予防することができただろうか。もはや、取り返しのつかない事態となっているが、資質の乏しいリーダーが周りに存在はしていないかと振り返り、仕方がないと放置していないか、考えたいものである。
 不適切な言動が日常からあるならば、危険を予知予測してその排除や予防に職員が連携してやるべきなのである。こうしたリーダーを保身の為に放置した関係者は加害者同様に糾弾される必要がある。ここがいつも曖昧である。だから防げないのである。
 また、事業の拡大を優先した為に人手が足りず園長兼理事長が送迎バスを運転するという事にも適切な組織になっていない事が推測される。
 本来の仕事が出来ないとなればその場しのぎになる為にマニュアルが機能しなくなる。これはコロナ禍の中でも同様で不測の事態にはこうした場当たり的な動きが起きやすい。
 酷いと他人事にする前に、自らの周りを再点検する必要があるのではないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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