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一刀両断 実践者の視点から【第250回】

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不適格な教員の放置

 《「一生許せない」 叱責され飛び降りた元生徒、教諭の免職を申し入れ》(朝日新聞)という見出しの記事を見てこれは氷山の一角と痛感した。すなわち不適格な教員が他にもいるという事である。
 多くはそれを放置している体質になっている。何故なら不適格な教員がいても特別研修へ出すのは本人の意向を確認しないと出来ないし、管理職は受講を命じる権限を持たされていない。
 不適格と分かっていても、人権や根拠等を問われると職場は殺伐となり経営が困難になる。ならばそれを査定する第三者が教委だとしても荒立てない事をモットーにする事なかれだから秩序はできない。
 こうした不適切な要素は教員養成の段階で見られているはずなので、養成に関わった教員にもペナルティーを課して自覚を持たせるべきではないだろうか。
 教員には不適と感じていても教育実習へ出すのは、明らかに間違いではあるがそれを指導し阻止するシステムがはっきりしてはいない。ここを早急に整備しないと負の連鎖は止まらない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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