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一刀両断 実践者の視点から【第272回】

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仕事をそぎ落とす

 《学校はブラック?教員需要テーマにシンポ》という見出しの記事によると、学校を取り巻く環境は「特に小学校では教職の魅力が低下しているとまではいえない」「労働条件は、勤務時間を除き、民間の大企業や公務員と比べても劣っていない」と話したという。
 まったく同感であり、私は何度もこの視点で学生に説明をしてきた。しかし、その勢いが広がらずにますますブラック風潮が蔓延していった。この悪意ある意図は何なのだろうかと考えた。
 一番の要因はメディアの色付けにある。学校によって違いがあるので、過度な労働を強いているところもあるだろうが、私が校長の時は仕事を削ぎ落として健全化を図った。
 具体的には夏季休暇を教頭に連続で10日は取らせたし、退勤も全員18時までに徹底した。その範囲で終わるよう仕事を削ぎ落としたわけである。簡単なことだった。そうさせない要因は徹底して排除した。
 しかし、こうしたことが出来ない校長や教委が少なくない。そのやり方を新任校長研修で8年以上も連続担当をしてきた。具体的に示して来たことにより、全県の不祥事も激減した。
 健全なる職場をつくるため、打開策を具体的に示さなければブラック風潮には勝てない。
 この夏、演習講演の依頼を全国様々な地域から頂いている。旅費のみで講演料などは求めてはいない。何故ならオセロのように黒を白に変えたい私の意志が先にあるからである。要連絡を。
 tookubo(アット)moralogy.jp
 参考 https://www.moralogy.jp/educatorseminar/skillupprogram4/
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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