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学校経営は想像の泉 俳句をつくって未来を拓く

15面記事

書評

横山 悦子 著
感性磨く教育で成長する児童たち

 自称「魔女」と名乗る著者の横山悦子・川村学園女子大学教授。教員生活の38年間は「先生の落ちこぼれだった」と振り返り、「自らを『魔女』と呼ぶことで、魔法を掛けるように自身を鼓舞してきた」と言う。
 本書は、最後の勤務校となった千葉県我孫子市立新木小学校で校長を務め、「感性を磨く」を合言葉に俳句に取り組んできた成果をまとめたもの。期間は平成30年度から3年間。当時の子どもたちの作品を読み返すと、たった17文字でも、「言葉の力」を感じ取らずにはいられなかったという。
 全14章。まずは、俳句との出合いや俳句作りに力を入れた理由に触れている。その後、俳句を学校経営の柱に据えた経緯やコンクールを実施した訳などが説明されている。教職員にどう伝え理解を得たのか、その方法についても触れられており、コロナ禍でも俳句コンクールを実施したことや、子どもたちの可視化できない成長なども詳しく紹介されている。この他にも、実際に子どもが作った俳句(春夏秋冬)や保護者に向けて発信した「学校だより」の事例などが収録されている。
 本書は著者にとって63冊目。このうち童話や絵本、詩集の書籍が多く、学校経営を扱ったのは今回が初めて。管理職を目指す教員はもちろん、現役の教頭・副校長や校長が参考にしたい内容が満載になっている。
(3080円 銀の鈴社)
(斉)

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