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シリーズ学級経営(1) 学級経営の理論と方法

16面記事

書評

田中 耕治 編著
学級担任の不易と流行を展望

 金八先生やごくせんなどテレビでは学級担任を一種のヒーローとして描いてきた。本書の中にも「経験と勘と気合い(教育現場の3K)」と書かれているように、担任個々の力量に依存してきた面が強い。
 いじめ重大事態の増加や不登校児童・生徒が24万人になった現在、学級担任という職務も見直される時期に来ている。本書ではまず学級の歴史から始まり、学級経営を巡るさまざまな論争を紹介している。その上で現代の学級経営を捉える視点や新しい時代の学級経営の在り方、小・中学校の学級経営で大切にしたいこと、いじめ・不登校などの現代的課題への対応などを述べている。
 令和3年1月の中央教育審議会答申でも教師が学級経営を含む教育活動を客観的な根拠(エビデンス)に基づいて遂行することが言及されている。また改訂された生徒指導提要でも「チーム学校」という概念が書かれているように、かつての「教育現場の3K」による学級担任像からの転換が求められている。
 思想家の内田樹氏は言う。「学校教育で一番大事なことは教室に入ってきた人たちに対して、歓待すること、承認すること、祝福すること。教育の本務はそれに尽くされると思います」。時代が変わり、役割が見直されても、根底にあるものは変わらない。改めて学級担任の役割を考えるために、読んでほしい一冊である。
(2860円 ミネルヴァ書房)
(中村 豊・公益社団法人日本教育会事務局長)

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