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1人1台端末活用のミライを変える! BYOD/BYAD入門

14面記事

書評

中川 一史・北海道教育大学附属函館中学校 編著
GIGAの機器更新期を見据えて

 本書は、NextGIGAへ進む全ての教員、学校、自治体の参考になりたいとの願いから作成された。GIGAスクール構想で整備された端末の使用は長くて4~5年で限界が来ると予想されるため、BYOD(自前の情報端末を持ち込む)/BYAD(組織が斡旋した情報端末を私費購入し持ち込む)という考え方が必要だという。本書は全国に先駆けて進む北海道教育大学附属函館中学校の取り組みを紹介。BYADを用いた実践の指導者は中川一史氏だ。情報端末の継続的な活用、端末を用いた教育の持続性、端末の自己管理という視点からその浸透促進を願う。
 第1章は、「BYOD/BYADとその環境づくり」で「『BYOD/BYAD』とは」から始まり、末尾には「ICTの利活用を展開・継続させる管理職の役割」で締める。第2章は、実践事例を各教科や特別活動などについて明記。その中でも働き方改革の視点から職員室での活用のポイントや職員会議の議題の共有の箇所はすぐにでも取り組める内容と思える。第3章は1人1台端末環境整備の現状から数多くの学校、自治体で検討すべき端末環境についてまとめる。
 数々の課題への対処が待ったなしであることも理解でき、実践上の迷いや工夫などがうかがえる。附属中として強い使命感に支えられた「1人1台端末活用のミライを変える」という気概を感じさせる。関係者必読の書だ。
 (1936円 明治図書出版)
 (大久保俊輝・麗澤大学教職センター長)

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